なんとなく

150 150 山下とうふ店

憂鬱な毎日が続く秋のど真ん中。山にでも行きたいなと思ってみたりはするのですが・・・。あの”おおいさ”は言葉や映像では無理で、やはりその中に身を置かない限り感じられないものです。

夜NHK-BSでやっていたパリからの中継がとても良かった。初めのほうは案内しているゲストがきざったくてやや不快でしたが、雨宮塔子さんが案内していたオペラ座の内部の案内には感動しました。普通の人には行けないところまで足を踏み入れて特に地下にある池にまで案内してくれたのには感謝感謝で、なんでオペラ座の地下に水がたまっていてそのままにしてあるのかの意味もわかりました。『オペラ座の怪人』を思い出しながら楽しめました。

辻仁成の「秋のパリごはん」も秀逸な名編でした。音楽も映画も文章も彼については全く知りませんが、深くて繊細なひとだなと感じました。子供との確執など見かけのことばかりでなくその背後の問題まできちんと見据えて語っていて、どちらかというと鈍感な自分がはずかしかったです。童顔だけど62歳で自分とたいして変わらないわ。全編”詩”みたいでした。

それにしてもいつも観ているYouTubeで観られるパリ在住の中村じゅんじさんのパリ案内がいかにすぐれたものかもきょうのNHKの中継をみていて感じますます好きになりました。ついこないだ観たペール・ラシェーズつまりパリの大きな墓地散歩がわくわくしながら観られたのを思い出しました。ショパンの、心臓はふるさとにですが、すぐ隣(の隣?)になんと大好きなピアニストのミシェル・ペトルチアーニも眠っているのにはびっくりでした。新規にこんな恐れ多い場所に埋葬させてくれていたのですね。いろんな有名人のお墓には花が添えられていましたが、イヴ・モンタンのお墓が意外にも質素で寂しい感じを受けました、地味なお墓です。墓地ができるはるか昔の有名人の墓まであったのにはおかしみもありましたが、あたたかいものを感じたのです。

岸田将幸さんの『風の領分』注文しました。