敷地内の地下100mから汲み上げた地下水を豆腐作りに使っています。地下水の最大の利点は、温度です。昔は水道水を使って豆腐を作っていました。冬の水道水はとても冷たいですから、豆腐作りをすると手が真っ赤になるほどでした。一方、地下水は冬でも水温が18℃前後ですから温かく、夏は冷たく衛生的に豆腐の日持ちも良くなります。そのような豆腐製造における作業性の良さが、地下水を利用する一番の利点だと思います。豆腐を作る前に大豆を水に浸しておくのですが、冬場は温かい地下水を使うほうが大豆に水が早く浸透するという利点もあります。

塩素を添加している水道水を豆腐作りに使ったとしても、熱が加わるので豆腐の味に大きくは影響しません、但し豆腐をさらしておく水は塩素臭さを抜いておく必要があります。山奥で豆腐を作って水の綺麗さなどを喧伝する人がいますけれども、そんなに味は変わらないですし、水の中のミネラルの差はほとんど味に出ません。豆腐を作る過程で熱を加えますし、豆乳自体の味がそんなに微妙なものではなくはっきりとした味を持っていますから、極端な塩素の匂いが出ない限りは味にほとんど影響を与えません。