おととい

ジーンバンク事業30周年記念講演会、植物遺伝資源供給センター(すなわち新しい"保管冷蔵施設")開所式に行ってきました。地理的に所沢よりは5度以上寒いような感じでした。

遺伝資源の保存には2段階の区別があって1.永年保存庫、2.配布用資源庫と2つに分かれていました。

永年保存は増殖・更新の回数を極力減らしてオリジナル(の性質)をなるべく永く引き継いでいこうということ、在庫がなくなったら更新。このために缶詰にした資源をマイナス18度(国際基準)で保管するというものです。

配布用つまり研究用に大学や個人・企業に分けられるものはマイナス1度で保存されています。

日頃この研究所を利用している研究者やJICA関係者、企業・農家といったさまざまなひとが150人くらい来ていましたがゆっくりと中を見学したのはみなさんはじめてだったと思います。


講演でも言われてましたが「・・・ゆがめずに保存しいつでも使えるように配布し、利用する」ことのできる施設運営を、モットーにし「継続は財産と創造を生む」というひとことが記憶に刻まれました。


当施設はあくまでも研究の流行とか政府の時々の意向などからはきっちりと独立・中立をたもたなければならず、たとえば現在でいうと遺伝子組み換え・操作と反遺伝子組み換えという対立姿勢のどちらにも与するものでなくあくまでも「資源の収集時のオリジナル性維持とそれを研究用に提供する」という姿勢を使命としてもっています。


食物の遺伝子組み換えには反対だけれど医学用の遺伝子操作には賛成、という姿勢は学問的には成立し得ないものだと思います。

たぶん両者は相互補完的でお互いの成果を利用し合って進化していくものと思われます。

ここのところはひょっとしたら"悲劇的"な結果をもたらすものかどうか時間がたたないとわからないというところですが、どんな未来が待ちかまえているんでしょうかね。

自分はただ在来のものを蒔き続けて耐熱性、収量、耐害虫性等をしらべていくだけのことですがたぶん組み替え技術が高度に進化して"すばらしい"と言われる品種が発明・合成されても「強引に組み立てられたいのち」というものは自然界で生まれた"自然なバランス"を恋しがりいずれは合成オリジナルからブレてその過程でさまざまな不都合・副(悪)作用をもたらすような気がしてなりません。

いずれにしてもジーンバンクの使命は「資源保存、しかも収集時オリジナル特性の維持」ということが筆頭にあげられるので、その利用の仕方にかかわる価値評価からは独立していなければならず関係者によっては若干つらいところもあるのかな、なんて勘ぐってしまいます。


我が国は遺伝資源をめぐっては、ラオス、カンボジア、ベトナム、インド等で多大な協力・貢献をしておりJICA等を通して熱帯・亜熱帯での作物栽培の指導では大活躍しているようです。

今年は南方系の大豆を少し蒔いてみようかななんても考えています。


遺伝資源はあくまでも"材料"であり、その来歴・系統をきちんと押さえた上ならば所沢で北海道のもの、東北のもの、九州のもの、台湾のもの、内陸ヨーロッパのもの・・・を蒔こうとも決してとんちんかんなことではないと確信するにいたりました。


まだ少しは時間があるような気がします。

(別ブログよりコピー)