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研究室ごあいさつ


名前がかたいですが、研究室といっても化学的に考察できるわけでなく間違った論理立ての場所も多々出てくるかと思われますが、製造過程で遭遇する事実を克明に記述していこうと思います。

 一般に「同じ材料」を使っても作る人によって、あるいは「同じ材料、同じ機械、同じ道具」を使っても作る人によって、あるいはもっと条件を同じくして「同じ材料、同じ機械・道具、同じ場所・時間、同じ指示に従って」ということにしても作る人によって出来上がる豆腐は「微妙にというレベルからことごとくというレベル」にいたるまでちがうものが出来上がります。


 それほどにがりによる豆腐製造はデリケートなもので「同じ人によって」すら「同じ品種・同じ状態の大豆」を使ってすら毎回毎回微妙にちがったものが出来ます。これは取り組む相手が「生き物」であるからに他なりません。もちろんこちら側も「生き物」に他ならず同じようなことを繰り返しているようでも全く同じということはありえません。

 これは全ての「職人仕事」に共通する事実でしょう。・・・・・ここがおもしろいところで仕事をし続けられる大きな魅力であろうと思います。真実は極めて美しい整然としたルールに取り仕切られているのでしょうが我々には見えません、ただしその科学的真理によって起きた事実の微妙な表情は見えかつ読み取れますが。経験の積み重ねから体で「なんとなく、あるいは強く」感じているのです。これは科学することと一部同義であると思います。 これを感じられるということが職人の誇りです。「世界にひとつ」「世界で一番」という(うぬぼれとはちょっとちがうのですが、はたから特に「もの作り」でない人から見るとそう思われてるのでしょうが)誇り・自尊心のみによってたとえ金運が悪くてもその仕事を続けていられるので゜す。

 さて私のページは全てが研究室みたいなもので全ての私の製造体験は到達不能の頂上めざしてのむなしいとは言わないが手ごたえの掴み取りにくいトライアルのような気がします。そしてそれは「ああいう、こういう豆腐」を目指してというよりも「あのお豆さん、このお豆さん」の性格を診断・(脳裏への)記録して、規則正しい化学反応を起こさせてやろうという「仲人仕事・・・大豆とにがりの」のような気がします。

 したがって特別目先の変わったことをしようとしても素材がありませんので、大豆の違い、にがりの違い、搾り方・煮方の違いといったごく当たり前のことしか話題は提供できないと思います。

 同業の方へは問題意識さえ高ければ何がしかのヒントが、またそれ以外のほとんどの方へは単なる読み物としてはちと意味不明のところも出てくるかとも思われますがちょうど外国語に少し慣れてきて分からない語が出てきても前後関係から自動的に(勝手に)解釈して先へすらすらと進んでいくような感じでお読みください。

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初校 最終改訂日
2001.11.25 2002.1.8