どこまで少なく煮られるか
2005.5.22 私のように売れない豆腐屋は絶えずこんなことばかり研究しているのですが、特殊な大豆や色大豆をやるときはなるべく最低の量で煮炊きをしたいとはいうものの、呉がすくなければすくないほど蒸気の結露で豆乳がうすくなってしまい簡単なことではありません。
一番安定していて失敗のないのが乾豆8-10キロくらいなのですがきょうはなんと乾豆四升(だいたい5.6キログラム)でやってしまいました。まったく普通の大豆・・すずかり・・・でしたが加水に気をつけ比例配分の数値の7掛けぐらいの加水でした、かなり少ないのでやっかいですがまだ減らせそうです。
釜の中では泡を除いた呉の上面が温度計のセンサーの下にやっと接しているくらいでした。煮えると膨張すると思うのでOKラインだと思います。つまりもうちょっと呉の量を減らすことは可能かとも考えられますが温度センサーに達するまでの間が"カン"ということになるでしょう。
自分の計算でいくと15度は出るかなと予想していたのですが14度でした。
やはり独立二重釜か地釜でしょうか。
良く煮えていておいしかったです。
ことしはすずかりはほとんどGETできないようで貴重な一釜でした。
次回は乾豆四升で加水を減らすこと、さらに乾豆を四升以下つまり5キロ、4.5キロと減らしてみようと思います。
ただし大豆の品種によってふやけたときの含水率がことなるのでどんな豆でも同じ理屈が通用するというものではありません。
温度計の針はふらふらすることは無く直線的にいつものように上昇していましたので完全に機能しています。
売れればこんなこと考えなくてもいいのですがしみったれていてすいませんね。
テスト依頼のかたは確実でなければなりませんので8キロ-10キロでお願いいたします。初見試行で失敗する確立は1/365程度です。ただし"満点"は出ません、無難な線で制作いたします(濃度14-15度、にがりは大島の海水にがり程度の塩分を含むもの使用)。
また天候不良の年に多い丸合以下"えさ"以上つまり色選はじきレベルに関してはにがみの出る可能性が多々ありますので覚悟願います。この苦味はいかんともしがたいものでどうにも工夫のしようがありません。
2005.5.23 今日はすずかり5キロきっちし。5キロをものに出来れば一袋30キロを6回使えるということになる。ここまで達成できれば我が底面積大の巨大釜としては最高の出来だと自己満足なのだが・・・。
やはり加水に気をつける。
呉の表面は温度センサーにかろうじて接しているかいないかでしょう。
前段温度計の指針がちっとも動かなかったのですがあるところから急に上がり始め98までいきました。
めんどうなことと私の柔肌をやけどしたくないので釜のふたはあけませんでした。加熱をストップするとすぐに10度くらい下がってしまうところをみると、ぐらぐらいってるときだけはかってるのかな。
106まであげて加熱ストップ、すぐに7-8度下がってしまいもいちど106まであげてストップとする。
絞る。
豆乳はやや若いかなと言うところ。
14.5度であった。
寄せるとうまい。
これだけ濃度が出れば"テスト"としては十分だと思う。
あしたは4.5キロでやってみる、たぶん温度計は機能しないと思う、ヤマカンの世界である、濃度を出すのもむつかしいと思う。相対的に結露が増大する。
2005.5.24 腰がいたくて弱りました。つなぎ目がすかすかの感じ。
きょうはすずかり4.5キロ。生呉は完全に温度計センサーのした。加熱するとすぐに90度台に。これは呉がぐらぐらしてなのか泡・空気の温度なのかはわからない。
呉の量が少なすぎるのでゆーっくりと煮る。
加熱をやめるとすぐに10度ぐらい下がってしまう、明らかに呉の温度は計測されてない。
あとはヤマカンである。
ばかていねいに煮る。
やや煮すぎの味となるが良く絞れる。
飲む豆乳としてはあまりうまいとは言えない。
15度であった、なんだしっかり濃さは出ているではないか。加水もまだマイナスする余裕はあったのでまっと(所沢方言)濃く出来るはずである。
きぬにしたがまあまあいける。
ということでまだ欲が出てくる、あしたは4キロをやる。
2005.5.26すずかり乾豆4.0キロ。ふやけた豆はいつもの水切りかごに入れるとなんと半分しかない。たったこれっぽっち・・・! さすがここまでしみったれた仕事となるとはずかしい気にもなるのだが反面台所仕事と境界を接しているようなところを探っている自分に、「ここまでけちってる豆腐屋も日本にはいないのではないんじゃないのー、日本一けち・・・」などとハムレットの「くるみのからのなかの宇宙」を感じた気分になって、開き直りの優越感すら感じてしまって快感である。
とにかく「ちいさい世界」である。トン汁をイベントのずんどうで作るのとひとりぐらしのアパート住まいがひとり分のトン汁をつくるのとの差みたいなものである。
きょうの加水はコップ1-2杯である。加水の最低限であろう。
加熱がかなりデリケートにならないといけない。
釜内部の温度計は加熱をはじめるとすぐに90度台となるがそのあと直線的に上昇していかない。加熱をストップするとすぐに10度は下がる。空気の温度である。煮るべき「大豆の呉」の温度は計測されていないがヤマカンで想像するしかない。
とにかくヤマカンで加熱ストップ、搾り出す。品種のせいだろういつものことながら良く絞れる。・・・かなり薄くなってしまったのでは、と心配になる。
15度であった。
えへへへ、である。
豆乳、寄せた豆腐もかなりいい味である。
すくなくともすずかりは乾豆4.0キロの煮沸が十分に可能である。
品種によってはまったく無理のものもあると思う。
でもやはりほんとにうまいものはそこそこのまとまった量をやらないと得られないことは常識中の常識である。
非常識な世界は聞き流す程度でいいと思います、自分でやっててこんなこと言ってすいませんね。