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大豆まるごと豆腐

 近頃はやりのものであるがおから分も豆腐の中に取り込んでしまおうというもの。大豆を粉末化するのであるが、いかにざらざら感をださないかが勝負で各社研究開発に切磋琢磨している。
 
 豆腐ばかりでなくほかの食品に添加して栄養強化ということにもなるので応用範囲の広い世界だ。
 おもしろいと同時に競走激化が予想される。

 さて東京の(株)ファイバー化成社からの依頼で凝固特性を調べることとなる。大豆の粉末化業界ではトップレベルの細かい高品位の粉末化に成功した企業である。粉メーカによってそれぞれの粉の寄せデータは異なると思うので他への適用はできるかどうかわからない。また同一メーカーでも大豆の品種やひね具合にも影響をうけるしまた粉砕してからどのくらいたっているかにも大いに左右されると思う。われ豆がすぐに酸化して劣化の引き金になるのと同じ理屈で、粉末化した大豆も袋をあけたらすぐに使うべきだろう、また保存も温度管理が大切だと思う。

2002


8.31 メーカーのかたが粉1に対して加水9ということを言っていたので見ずを加えていくとやはりなんかいやに水っぽそうに見える。人のいうことをすなおに聞けないのが自分のとりえなのか欠点なのか知らないが、とりあえず1対7にする。それでもなんか水っぽさそう。

 だまができやすいのでかき混ぜ機はぜひ必要。

 110度まで温度を上げて数分蒸らしかい出す。工程の関係から絞り機経由となるがおからはいっさい出ない。豆乳を漉すかなり細かい布にもなんらおからは残らない。おからたちはそうとう細かい粒子となっているのだろう。グラインダーでただ破砕しただけでなくうすで押しつぶしたということでかなりなめらかな粒子になっているとのこと。

 飲んでみるとほとんど水みたいであった・・・うすい、だが甘くておいしい。かすかにざらつき感を感じるかな。見ただけで寄せる意欲をなくしてしまう。とにかく寄せる・・・むむむ、より具合からこりゃ8度以下だろう。

 にがりの一発寄せには無理。


9.01 今日はメーカーの方が見学。自分なりにきのうの半分ぐらいの加水にしようと考えていたのだが攪拌しようと手伝ってくれ、容易した"呉"は1対9にしてしまった。粉を加えて粉6キロ、水24リットルすなわち重量比1対4とする。
 小さな羽の攪拌機であるが非常によく溶けている。

 急いでいたのでじっくり煮ることができなかったが110度まで上げ数分蒸らし。

 豆乳は非常にあまい。違和感はそんなにない。

 Brix12度ぐらいであった。

 海水にがりで寄せる。65-70度。寄りがややはやい。豆乳中のおから分が関係あるかな。攪拌がやや重く感じる。

 よせ豆腐としてすくうとうまい。あったかいうちは・・・。

 冷えてからお昼に食べてみると。味抜けしていると同時にざらつき感が余計感じる。

 ねっとり感・クリーミー感を強調することによってこのざらつき感は低減できるのではないかしら。ただ豆乳を濃くすればするほど単位体積中のおから量が増えるわけなのでざらつきが増すように推論する。・・・どうするか。

 とにかくもうちっと濃いのでやてみよう。

9.02 きょうは1対3とする。13度と出る。濃厚でいい感じの豆乳となる。
 ゆっくりと煮て100-110°でむらし。
 甘くて濃厚・・・重い感じがするのはいたしかたないかな。
 通常の豆乳と同じ量でにがりを入れる。
 攪拌はやはりむつかしい。どうしても早めに「ストップ」がかかるので(対流のゲル化がこちらに向かって止めい、止めいと言っている)塩梅がむつかしい。豆乳中のおから分が攪拌・凝固の抵抗要因となっているのであろう。

 柔らかめに寄る。ねっとりまったりとしていていかにもおいしそう。
 味はとてもいい。粘性によって軽いざらつき感が弱まってはいると思うのだが。
 
 あしたはもうちょい固くなるようにしよう。きょうのはちょいとへなへなしすぎている。

9.03 きょうは1対2.5とする。
 煮方はきのうと同じ。
 豆乳はかなり濃い感じ。Brixをはかるのを忘れたが14°まではいってないかもしれない。
 よせはあいかわらずむつかしい。
 豆乳中のおからが対流の起こり・ゲル化の様子をちいとばかり通常と異なったものにする。
 通常より早くブレーキがかかる感じ。しかし攪拌はそこでストップしないでもうちょいしてやる。

 きのうよりねっとりはしていないがそのかわりしっかりと固まっている・・・かたいということはないが。
 ふわーっとした感じでケーキみたい。えらい甘い。
 この「ふわーっ」は普通の豆腐にはありえないことだ。おからの作用だと思う。「ねっとり」との交換条件かな。両方兼ね備えることは無理だと思う。

 後から粉っぽさがやってくる。

 最初の水に溶かす段階でもっときれいにこまかく溶かしてみることが課題かな。

9.05 きょうは1対2とする。かすかな水で強引に溶かしてやるといった感じ。30分ほど攪拌機をまわしたが休み休みやらないとモーターが焼けきれるだろう。それでもまったく水と混ざってないところが底のほうに残る。どうしようもない感じで水を追加して1対2.5弱の比率にしてやる。
 煮方は同じ。

 とても濃いが粉っぽい。Brix14°強とでる。

 ねっとりまったりに寄る。うまいが粉っぽい。きのうの方がうまい。
 
 ふつうの豆乳14度とこの豆乳を半々に割ったものを寄せてやる。粉っぽさはやはり残る。

 豆乳濃度は1対2.5の比率を最高にしてそれより若干うすくとるのが最適と思われる。
 水と混ぜる時の攪拌のていねいさがどれだけ影響するかということは今日のような1対2でやろうとするような場合は、調査不可能と思われる。

 いずれにしても水との比率の最適範囲は確定したのではないかしら。