TOPのINDEXへ 全国大豆めぐり
かむろ研究室
研究室トップ
豆腐製造業にとってBrix計とはなんぞや
2005.6.03
Brix計をはじめてみたのは商売をはじめたときからでしたが父親がたまに使っているのを見た程度で自分自身で使うようになったのはここ3-5年です。
にがりをはじめたのは25年くらい前ですがそのころもただ漠然と"濃い"、"薄い"の区別をつけている程度で度数というものが気になったことは一度もありませんでした。
そのころは国産といえばわが問屋さんが扱っていたのは今ではまぼろしの安曇野ナカセンナリだけで、いま考えるとあんなにやっこい大豆とよく格闘できたものだと感心してしまいますが当時は1台目のシングルのフルマークだったので14度程度は出ていたものと思われます。
こういったものはいっとき使い込むとまたすぐに飽きてしまい、濃い・薄い程度の区別で間に合わせてしまうものだと思うのですが、いろんな大豆と取り組むようになるとただ単に濃くすればいいというものではないということがわかってくるようになりデータの整理の意味もあって今は絞り機の上に筆記具と一緒に常置してあります。
さて絞り機が変わりやたらと濃く絞れる能力をフルに引き出してやりたいと日々遊びほうけているわけですがやはり豆乳濃度と言うものには限度があることがわかってきました・・・機械そのものの能力上の問題ばかりでなく出てきた豆乳の処理上や味の問題等の点からです。
機械の能力という点からいうとヤナギヤさんの公表しているツインマスターのスペックは見ていないのでわからないのですが、自分の試みからいうと17度程度が限界のように推察されます。それも、絞り部分の問題ではなく釜からやってきた煮えた呉を受けるおけから絞り部分に送り込むポンプが機能しなくなるということです。ポンプの回転数は可変のようですが初期設定の30rpmのままでいじったことはありません・・・。
おそらく絞り部分はまだまだいくらでも絞れるのではないかと思われますが・・・。
ポンプが吸い上げられないほどの呉からできる豆乳は90℃の温度でもどろどろでこれではもう寄せられる豆乳とは言えません。・・・もちろん寄ることは寄りますが均質(均質なムラ寄せが理想ですが)とはほど遠いところにあります。
もっとも世の中にはどろどろの豆乳を電気的にさらさらにする機械があるということなのでそれを使えばどうなるかな・・・・。ただし「さらさら」というよりも「とろーり」ということらしいので一発寄せにはやはり無理のような気がするのですが。さらにマグネスファインでも使えば高温凝固できるので可能なような気もするのですが手寄せの自分には外の世界の話です。
どろどろになる限界濃度は品種によって違います。
タマホマレ等は低タンパクの代表のように考えられていますがこれも濃くしていくと意外と早くどろっとしてくるのがわかります、もっともこの大豆はそもそも「てれーっ」とした感じを低い濃度のときから示していますが。いくらでも(と言っても限度はあるでしょうが)濃く絞れるユキホマレ等からみるとタマホマレは高タンパク大豆といえます。
フクユタカ、コスズ、秋田みどり等は15度以前でもどろっとしてしまいやすくてかなりやっかいな相手ですが見方を変えるとこれらは薄くてもきちんと製品になるので「もうかる品種」といえます。タマホマレは濃度と合わせてにがりのことも考えるともうからない品種といえます。
さて品種によって度数による製造技術を変えなければならないわけですが、いかなる時でも一番大事なことは「濃いこと」そのものではなく「うまいこと」だと思います。
話しはそれますが「品種こそすべて・・・」という発想から猫も杓子もA品種、在来X、・・・というものを追いかける風潮も首をかしげざる負えません。
最低限必要なことは「安全・安心」ということ、そしてできれば「うんめー」ということです。
さて濃度についてですが、
18度・・・これはたぶん可能のような気がします、ヤナギヤを使えば。ただ寄せは相当高温となるはずでどんなふうにして寄せるのか興味津々です。
20度以上・・・機械的にsqueezeするのは無理なような気がするのですが。出来た豆乳を煮詰めろば濃度は当然あがります、ただし豆乳は変質しへろへろ・どろどろになっていきます。25度・・・?????
いずれにしても17度以上ともなるとどうやって寄せるのか皆目見当もつかないところです。味は・・・わかんない。
さてせんだって仲間と雑談していて豆乳に砂糖を入れるとBrixが上がると聞き、さっそく試したところ、13度で水平線を描いていた豆乳は砂糖を入れるとややピンぼけ境界線とは言え20度まで上がりました。まっといれればまっと度数は上がると思います。"糖度計"なのだから当たり前のことなのかしら。
ということはさらさらの14度の寄せ環境でBrixが20以上なんて簡単に出てしまうことになります。
甘さに反応するの・・・?ということで今度は塩を入れてみました。意外や意外、数値はどどーんと19度まで上がっていました。
それじゃあ、おから・・つまりミジンを入れたら、ということでやってみると全く変化しませんでした。不思議でした。
度数そのものは機械的にSqueezeすることは困難になっていくのに対して、砂糖やオリゴ糖を添加すると簡単に数値が跳ね上がってしまう、なんじゃらほいの世界です。
もひとつ実験、にがりそのものを計ってみました。な、な、なんとBrix計の画面が青から真っ白になってしまいました。詰まり度数は∞ということなのかしら。にがいにがりの糖度/甘さは∞
!!! ???。