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かむろ研究室

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あつかん(熱燗)法/擬似充填豆腐法

2001

 これは煮炊き後の豆乳をにがりが反応を起こさない温度まで冷却し、それに反応に適当であろう量のにがりをまぜよく攪拌しじょじょに加熱していくものです。にがりの量が適切であればおいしい豆腐になるはずですが・・・・・。
 とにかくにがりの量をつかみさえすればむつかしい攪拌技術はまったくいらないので大量生産には格好の方法です。電子レンジでやるというのもこの方法の延長上にある方法です。

 ヒノキの型箱できぬ豆腐を作っているので今までこの方法はためしたことがありませんでした。熱伝導の関係から金属の入れ物を使うしかないのですが小さい箱が見つかったのでそれでやっています。

 この方法で、もしおいしい豆腐が作れたら手作り豆腐はもう存在する意義がなくなるので「わくわく」ではなく「ひやひや」しながらやっています。しかも「手作りのとりで」を守るため「逆ひいきめ」になりがちな評価を冷静に客観的に記述しなければならないのでけっこうつらそうなものがあるのですが、友人たちの話によると材料がまったく同じなのになんでこんなに味が違うのだろう、という話ばかりなので気楽に攻めていきましょう。

11月3日.捨ててもいいように安い大豆でやる。損しないようにきわめて少量でやる・・・教訓。
 大量にやるときとの量の比率からにがりの量をやや割り引き気味に単純計算して混ぜる。70度のお湯の中に一時間ほどつけておく。この方法はゲル化していくようすを注視しながらにがりの量を加減できない、すなわち始めに入れてしまったらもうそれっきりというやり方です。そのかわり攪拌の技術はまったくいりません。

 非常につるつるにしまった豆腐になる。少しえぐい、にがり入れすぎ。ぷりんぷりんとしているのだが「しなり」はまったくない、なるほど量産の触感の悪さの原因がわかった、つるつるだけではだめです。

 にがり100パーセントでも簡単に「固まりはする」ことが判明。ただしあまり甘くない、(つるつるだが)触感最低、「しなり」がないのです。かたまり始めのころの上の方を食べてみたらにがいながらも甘味を感じたがしっかりかたまった後ではふつうのグルコンや硫酸カルシウム豆腐と大差はない感じ。にがり100%でもこんなにまずい豆腐ができることにおどろいた。

 明日はにがりの量を減らしてみます、熱燗状態も短くしたいがそうするとふにゃふにゃだし・・・・・。
 
11月4日.今日はいそがしくてできませんでした。

12月10日. 湯煎や電子レンジであらかじめにがりを入れておいた豆乳をだんだんあたためていって凝固にいたらしめるというこの方法の決定的な欠点が解明できました。すなわちこれらは瞬間的に容器の中をある特定の温度に一辺に上げるということは不可能だということです。すなわち容器の外周部と中心部が時間を違えて凝固するということです。先に凝固してしまった部分はこのあともまだ凝固していない部分の凝固のために熱が加えられるわけで、これが豆腐に良くないわけです。豆乳のうちに熱を加えつづけるならOKですが豆腐になってしまったものをさらに熱を加え続けると「しなり」はまったく出ませんし、クリーミー感も消滅します。まずい。
 要するに瞬時に豆乳全体ににがりを行き渡らせることの出来るのは「手攪拌」しかないのです。

                          2002
1月11日. グルコン研究をしておりBrix15度の豆乳で「すっぱみ」のでない限界ということで50グラム/10リットルをここ数日やっていますがどうしてもやっこいというので熱燗を少し併用してみる。グルコンを攪拌した直後どろどろした上のほうをすくってなめてみるととても甘い。ところが熱燗にして30分もするとひきしまってりっぱなきぬになりそうなかたまりになるのだが上のほうをちょいとすくって食べてみると、甘くない・美味くないのです。熱燗はにがり以外のものでもすべて同じように豆腐のうまみを消してしまう製法のようだ。始めてこの方法を考えついた時には、にがりできぬが簡単にできるということで発見者は飛んで喜んだであろうと思うのだが・・・。
 そしてにがりでもグルコンでも硫酸カルシウムでもみんな一様な味気ない味になってしまうのだ。

執筆記録
初稿/01.10.30 02.1.11