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演出しすぎの甘味

2004.8.01

 きのうX君と飲んでいて出てきた話題にいつものことながら「甘味」が出てきました。
 大豆のおおざっぱな分け方として「高タンパク低糖質」と「低タンパク高糖質」があるのはみなさんもご存知かと思います。
 数をたくさん取れ、凝固がしやすいということで多くのものが求めているのは「高タンパク高糖質」なのですがいかんせんそのようなものはそうはありません、まただれにも簡単に甘い豆腐が出来てしまうのでこのてのものは敬遠したい向きも結構あるかと思われます。

 さて「豆腐の甘味」ということがとやかく言われるようになったのは現今のにがりの流行によるものです。

 にがり豆腐を食べたことがないひとがにがり豆腐を食べた時の一番の驚きはその甘味にあると思います。
 ・・・・・。
 ということでとにかく甘い豆腐、大豆・・・とくるのが自然の成り行きというものでやたらと甘さばかり追い求める風潮が蔓延しています。

 そしてこういうのがもたらすちょっと首をかしげざるをえないことがらが「トリッキー製作法」です。
 トリッキー・・・細工がしてあるということですが、おいしければなんでもいいという向きにはなんの文句があるのよということになるでしょう。

 私はホームページの随所で甘味強調・攪拌安定のための塩ということに触れていますがそれもわずかに加えるというならまだしも、ぎりぎりまで塩を添加してとにかくねちょ甘にする・・・というのにはかなり疑問を呈さざるをえません。その豆腐を買う人は、、まず塩のことはわからないと思います。塩の制限を受けているひともたくさんいるでしょう。
 そもそもにがりというのは海水から塩分を抜いていったものですが、完全に塩を抜ききらない(抜けない?)レベルでにがりとして出荷してしまいます。すこーし塩分が入っているのです。最近はにがりがブームなのでにがりの原液を舐めたことのあるひともたくさんいるかと思いますがメーカーによってかなり味に違いがあることがわかるはずです。煮詰めれば煮詰めるほど、濃ければ濃いほどしょっぱさがなくなっていきます。

 あんこの甘味を出すために塩を入れることはどなたもごぞんじでしょう。
 豆乳ににがりを添加して凝固すると当然のことながら甘味が強調されます。それをさらに・・・、と考えるのが製作者の欲というものですがちょいと待ってください。

 初見のインパクトはある。
 だが素材のもつ甘味は「本来」を飛び越えてとんでもないところに行ってしまっている。
 塩をたっぷり使いさらに消泡剤をプラスすれば濃厚さと甘味の極致が実現できるわけです。
 じつは先月私のお客樣(飲食業)が、あきらかに塩と消泡剤による濃厚ねちょ甘性を出しているい有名なざる豆腐を引き合いに出し、うちの豆腐をそれみたいにもっと甘くて濃厚にできないものかとたのんできました。
 私は拒否いたしましたがその申し出の主旨・気持ちがすぐわかりましたので、タマホマレとギンレイの黄金比率合成による大豆で、塩は使わないもののそのお店のように消泡剤をたっぷりいれたものと、ふだん送っている無消泡剤のどちらかというと「さっぱり」と誤解を受けやすいものを作って送り、同時に食べていただき説明いたしました。
 
 一見さんにはインパクトだけで十分ですがリピーターからもとめられるのはそれを越えたところにある"ある美意識"であることを説明しました。
 
 もうひとつのトリックは豆腐に甘味料を入れるということです。これもかなり流行っているようです。商品に表示しているまじめな?ものもあるようですが大方はこのような恥ずべき事は表示できないものと思われます。
 豆腐は食品分類でいうと惣菜・お菓子に入るようになるのでしょうか。

 応用は応用でいいのですが基本中の基本・・・ただの豆腐・・・はトラディッショナルを守らなければならないという使命感を痛切に感じた飲み会でした。