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正確にかつ美しく
世界体操協会、日本体操協会
2004.8.17
アテネオリンピック体操男子団体で日本が28年ぶりに金メダルとなった。
お昼に森末さんがコメントしていたが、いつものおもしろタレントぶりとはうってかわってとても説得力のあるいい話しをしてくれた。職人のさとりみたいなものを感じた。
選手ももちろんだが指導にあたられた方々の苦労もはかり知れないものがあったと思う。
美しく正確にというのは「職人」世界の大原則でわが豆腐作りにもぴったしあてはまることである。食べ物製造のなかでも、物理的変化だけを促すタイプのものと違って物理的かつ化学的変化の両方を"促し作為する"短時間勝負の技と言うことでそうとう難しい部類つまり奥の深さではぴかいちのもの作りといえるのではないだろうか。
原子・分子レベルの結合の美しさは即豆腐の触感・食感となって表れるのだが、実は私がほかのページでも述べているやうに「食品としての美」のためには実はこのミクロの世界の美しさを正確に"こわしてあげる"ことが、さらなる美しさをもたらすための大切なポイントとなる。
不完全の美という茶の湯の世界の言葉をいつも引用するのだがそれはそっくりそのまま豆腐製造にも使える。
公式・定理をきちんと守って毎回毎回再現可能性を磨き上げていくだけという"工業生産"の原則を実行していくなかにはすくなくとも、「食の美学」を高めていく力は生まれないと思う。
再現可能性の確立などは手仕事にとっては基本中の基本である。問題は次のステップである。"同一反復""を壊す遊びの余裕がつくれるかが重要となる。この遊びが手仕事の真骨頂である。食品工業に成長していく過程はスタンダードを見失っていくあるいは捨てていく過程でもある。
基準は不変であるようでいて可変なのである。それでいて厳然としていて動かない。
意図的に乱す。
「意図」はいずれ「流れに乗る」自然流となり「意図」ではなくなる。
工業国日本にあってはともすると手仕事の食べ物作りなどさげすまれる一方の仕事であるが裏を返せばきわめて高いレベルの創造的な叡智を要求されるきわめて粋な職業である。
"零細企業"・・・いいネーミングですね。マスコミが作った言葉かなそれとも役所が作った分類用語ですか。
体操の世界については門外漢ですが、もちろん不完全の美なるものはあるのではないだろうか。
柔道の田村も野村もあきらかに高いレベルのさとりの境地に至っていることをインタビューで感じた。
年令は2回りも若いひとたちだけどおおきなものを教わった・・・今回のオリンピックは自分にとっては実に見ごたえのあるスタートを切った。