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にがり雑記帳
赤穂化成の「塩田にがり」液体版
にがりを学習したての時は大方の職人は赤穂の塩田にがりフレーク状から始めたものと思われる。
昨年から製造中止になったためフレークと言えば軽く精製したものを使わざるを得ないものと思われるがこれがくせものでなんか変な味となるのである。むしろ塩化マグネシウム99パーセントのほうがうまい。
赤穂の塩田にがり液体版が登場。
豆腐用にがりメーカーなので若干の精製はしてあるのかな。にがりメーカーのこれからの方向性としてはやはり"若干"の精製は義務であると思う、そのまま出すべきではないであろう。
2003.11.08
タマホマレ14.・・・度程度で寄せる。
沖縄の石垣島でないX島のものと比べる。
まろやかである。甘味はX島より劣るが帰ってこれは塩分の少なさつまり煮詰めの長さをあらわしている・・・すなわち"濃い"。いい味である。凝固特性は意識しなかったというか気を引くほどの変わりようはなかった、この点はまた次回に。
X地方・・・にがり
2003.11.011
もちろん問屋さんから入ってきたれっきとした業務用である。
値段は安い。
無色透明。完全に水道の水みたいな透明度である。
何これ ? といぶかる。
凝固作用は強い。標準物よりも使用量が少ない、濃いのだろう。
味ははっきりいってあまりおいしくない。
甘味はややというかかなり劣る、まろやかである。
というわけでなんでこんなに透明なのかわからない。
製造上は技術的にはなんら問題がないばかりでなく凝固特性はとてもよい。
でも・・・味がだめだ。
塩化マグネシウム水溶液ではないのかい。
おまけに天然物を気持ち程度入れてあるとか。
チベットのにがり
2003.12.04
メーカー兼販売元からの依頼で使う。
チベットは周知のように大昔は海だったところである・・・ヒマラヤ山脈はインド亜大陸がユーラシアと合体する前に南のほうからユーラシア大陸にぶつかりそれを押し上げるような形でできあがった山脈である。チベット高原には塩湖がたくさんありますね。人間なんぞのいない時代の海水がお山の上に押し上げられて・・・。
ボーメ度30°ということだがボーメ度という言葉の意味がわからないので使ってためすしかない。
比重に関する言葉らしいのですが・・・。
原液をなめた感じは”刺すような苦味”があるがまろやかさを秘めた洗練さを感じる。
とげとげしくはない。
一般に海水にがりはいくらかの”しょっぱさ”を含んでいるのであるが、たとえ原料が海水であっても煮詰めに煮詰めたものはほとんどしょっぱさは感じず、これと煮たにがみを帯びるようになる。
現今のにがりはほとんどしょっぱいの一言で表現されてしまう(つまり煮つめが手抜きされているということである)ものがほとんどであるが今回のチベットで結晶で採掘されているものは海水を極限まで煮詰めたものに”なめた感じ”は近い。
しかし塩化マグネシウム99パーセントとは遠くはないが同じ味とは言えない。
さて塩化マグネシウム97パーセントということでいわゆる塩マグを使うのにほとんど同じような感じになるものと予想をつけつつ寄せてみる。
タマホマレ14.5度。
1回目は対流の読みからそんなにふつうと変わりはないがやや分散がわるいかなーといった感じでそれなりに寄せる。
きちんと寄っている。
食べてみると・・・・苦味が存在する。
量をへらす。
レギュラーのX島のものと比べると使用量でいって8掛けぐらいの量が適切であることが以降の寄せでわかる。
それにしても凝固阻害成分がきわめて少ないため寄せは高度の技術が要求される。充填ならばなんのことはないのだが。にがりを投入すると接触した豆乳は即ゲル化が始まるので全体へにがりを瞬時に散らすのはきわめて高い観察力と攪拌テクニックを必要とする。タマホマレならば豆乳自体の力がきわめて強いのでラクチンなほうではあるが。力の弱い大豆だとさらに反応が速くなるので工夫が必要である。
しまりはとてもいい。
味はかなりすっきりとしていて上品である。
ただ"甘さ"がだいぶ落ちるので二種類を並べられると、一般受けではふつうのにがりに負けると思う。
こういう味を理解できるひとは数は少ないと思う。
きれいさはこの上ない。
空からの汚染を別にすれば人類の汚染をまったく受けていない。
海水にがりはどんなにきれいといってもしょせん海はひとつながりということなのでそれなりに汚染物質は入っている。
ましてや大陸の周辺、日本列島の海岸線などは人間の営みによって汚され放題である。
薄まった汚れでもうまいほうがいいか、若干うまみは落ちるがきれいなほうがいいか。
どっちをとりますかということである。
きょうははじめてなのでレギュラーにがりとしか比較できなかったが、次回は塩マグ99パーセントと比較してみたい。
両者ともに液体での攪拌、とくに消泡剤を使わない場合は豆腐製造技術中もっとも困難な寄せであることに変わりはない。これらは固形ばらまきが適切なのであるが、固形ばらまきでは表現できないデリケートな部分があるので、むつかしいながらも液体のほうがおもしろい。
塩マグ99% vs チベットのにがり(塩マグ97.7%)
2003.12.08 普通の海水にがりと比べるとチベットのにがりはあきらかに違うということは簡単に予想がつくのだが、それでは昔からある海水にがりを徹底的に精製して塩化マグネシウムの純度を99%まであげたものと、天然の状態でほとんど塩化マグネシウムだけというにがりが、できあがった豆腐でどのような差異を生むかということは興味を引かれるところである。
99と97.7の違いは・・・。
精製は間に化学的な作業が入る・・・すなわち別の物質を加えて化学反応によって余計なものを除いていく・・・ということで自然・天然派のひとからは嫌われるのだと思う。
化学式は同じなのだが。
99%では前回おおざっぱにできたのをもっと洗練させようとしたのだが、4回寄せて全部気に入らない。
鳥の足跡が一杯。締まりすぎ。過反応という意味でのムラ寄り・・・欠点だらけである。
食べればおいしい。
キヌとしては出せない。美しくない。
全部木綿にしてしまう、もめんを作りすぎた。
チベットのにがりはきのうよりはややいいと思う。
お昼に食べたがとても旨い。
塩による甘味の強調はかならずしも必要のないことだと痛感する。
海水にがりは基本的に塩分が少し残っているので自然と甘味強調作用が働くのだが、塩なんかなくてもこんなに旨い豆腐になってしまう。塩マグだけでもすばらしい仕事ができるものだ。
チベットのにがり
2004.1.07 タマホマレで寄せる。
ここのところおからが扁平状のものが出て来たりしてよくつぶされていないのがわかる。
細かくするように調整する。
これだけで豆乳の味が変わってくる、・・・きのう味が物足りなかったのでこの微調整に気付く。
さてこのにがりを混ぜもの無しでストレートに寄せるのには緊張を要する。
大島のにがりの6掛け、7掛け、8掛けの3通りを試みるが大体7-8掛けぐらいの量が適正と思われる。
それにしてもスピードが速い。
投入して豆乳と接触した部分が即大きな反応を起こすのでむつかしい。
全体への均質分散する前に局部的に大きく起きた反応にどう対処するかが肝心である。
固形ばらまきでやっているひとには無理であろう。
実はタマちゃんの前にみずくぐりでやったのだが、豆すりを細かいほうに微調整したためか煮方のせいかわからないがややどろ状態の豆乳であったためただでさえ分散の悪い豆乳がますます分散が悪くなってしまった。
これは即理解できるのできぬとしてはやめる・・・上のほうをちいさくもめんにする。
底のほうはにがい。
みずくぐりでの失敗からタマチャンでは神経を使うのではあるがタマチャンはきわめて力の強い豆乳となるので安定してゲル化してくれるのではと期待する。
ちっちっちが多発する。地割れが起きている。
味はいい・・・やや甘味はたりないのではあるが別の味と考えればよい。
きょうの寄せは60点だな。
あしたからは塩を少しずつ混ぜてやってみる。
なお当商品は木曽路物産さんにて購入いただけます。
2004.1.08 タマホマレの項にも書いておいたのであるが煮方がダメで豆腐がまずい。
チベットのにがりとチベットの塩添加の実験を試みたのであるが甘味が強調されるどころかしょっぱくなるばかり。
タマちゃんの例の変な味にはまいってしまった。
あしたK氏がチベットのにがりの件で取材にくるというのであしたの準備のつもりであったが。
あしたがんばんべー。
ということできょうはだいぶ廃棄してしまった。
キタムスメで補填したのであるがその時点では実験どころではなかった。
2004.1.09 京都のK氏が取材にくるというので大豆は4種類ほどで作ってあげる。
ギンレイ、タマホマレ、キタムスメ、ムラユタカである。
ムラユタカだけやや攪拌不十分によるぼつぼが若干できていた、つまり食べたとき「荒れている」と錯覚する例のカタさのムラが出ている。
ギンレイも煮方がやや過ぎていたかもしれない、やや変な味となるが寄せは良かった。
ムラユタカ以外寄せはとても良かったと思う。
かすかにちっちっち・亀裂が入るのだがこの程度は普通の海水にがりでも良くはいることである。
塩を入れた実験は忙しくてあしたにまわす。
各種それぞれ同一の豆乳を伊豆大島の海精にがりでも寄せてやる。
サンプル8種ができたというわけ。
きょうのK氏は珍しく始めから最後まで豆腐の話であった。
前回は豆腐の話しは1割ぐらいであとは世間話であったのだが・・・。
しかしおもしろい優秀な人物である。
2004.1.10 きょうは塩を入れる実験をする。
360gのきぬとうふに対して1.3グラム。
豆乳にまず塩を入れてよくかき混ぜてからチベットのにがりで寄せる。
スピードはそんなに緩慢化したようには思えないのだが・・・。
きれいに寄る。
上のほうはとてもうまい。
底の方はしょっぱーい !。
塩ははじめっからにがりのなかに溶かしておくべきである。
塩が溶けないで底のほうに沈んじゃったみたいだ。
ただ塩の数値を適確につかむまではやややっかいではあるが・・・。
ハイクラスの料理人となると「塩からくる甘味」をきらう向きもあるのでこの辺は各自判断すべし。
ストレートは最高の寄せ技術を要求してくるわけであるがそれも慣れの問題である。
ストレートはストレートですばらしい味を演出できる。
2004.1.14 だいぶストレートになれてきた。
最小限のちっちっちはしかたないと思う。
肝要なのは失敗を恐れないことと同時に繊細さ・木目細かい攪拌である。
最小限ぎりぎりのにがり量ではげしく攪拌というのでは進歩は得られない。
2004.1.18 天外天にがり1キロを0.7リットルの水で煮沸により溶かす、完全に溶ける。無色透明。かすかに夾雑物があるので布で漉す。
この中に天外天岩塩をすこーし入れる、3・4かけらくらい。・・・なかなか溶けない。お湯はぐーらぐら。飽和状態なのかしら。会社の説明では天外天にがり1キロに対して水0.6なんぼということでボーメ30度とかいっていた。溶ける限界のことなのかしら、ボーメ30度といふのは。
いずれにしてもいつになっても岩塩が溶けてくれないので実験中止。
次に岩塩そのものを水1リットル(くらい、正確ではない)に入れ沸騰させる。5分ぐらいすると岩塩はちいさくなっている。
さらに岩塩を入れ500グラムぐらいにする。
今度はまたいつになっても溶けない。
水を追加する。・・・あーあ、もう計量なんかしていられない。早く溶けてくれと願うばかり。
20分たっても固まりがいっぱいある。少しは溶けていることは溶けているのだが。
30分でやめる。
色がうすーい茶色・・・要するにふつうの海水にがりの色っぽくなった。
さーてどうしたものか。
最初から行き詰まってしまった。
天外天にがりを減らすしかないかな。
要はボーメ30度といふ意味だ。
ストレートを作るのは簡単だが濃いチベタンにがり avec岩塩水はなかなか作るのが困難な模様。
あしたメーカーに聞こう。
2004.1.19 朝きのうの実験のやりっぱなしで濃し布のなかに残っていた岩塩のおもさをはかってみた。200gであった。300グラムは溶けていたのね。塩とミックスのにがり水はストレートのものと混ぜてしまったので塩分そのものはかなり少ないのではないか? この辺、いいかげんになってしまった。
きのう作った天外天にがり+岩塩少々の液体で豆腐をつくる。
きれいに寄る。
スピードの速さはやや速いかなといったところ。
甘さはストレートとそんなにかわらないかなー。
しかしうまい豆腐になった。キタムスメであった。
かすかなレベルで塩が聞いているものと思われる。
2004.1.24 1.19の"自家ミックス"にがりを使う。
攪拌時の対流のみだれはストレート/無消泡剤の時の典型を少し示している。
使用量は9掛けぐらいでちょぴし大島のにがりよりは少ないといったところ。
慣れてしまったためかきれいに寄る。
味も良くて、ひとによっては海水にがり一般よりはうまいというかもしれない。使い方次第だろう。
寄せ箱の低部にかすかににがいものが残ったが別に寄せた大島の低部のにがいのと比べるとほぼ同じに感じる。
海水にがりは塩マグと塩以外にもたくさんの成分が入っているわけだがそれがどの程度味の演出に寄与しているのだらうか。
この点もひとによっては、海水にがりを指して「えぐい」とか「かすかなへんな味」といふかもしれない。
ちょうど消泡剤使用と消泡剤無使用を比べた時のように。
自家ミックスにがりのほうが締る傾向にある。といっても塩がかすかだからかな。
2004.2.03 ボーメ度の意味がわからないので自分なりに塩加減をさぐる計画をたてました。
天外天にがりの水への溶解基準が にがり1キロに対して水が0.65キロぐらいだったかしら。これでボーメ30度ということです。
煮沸で溶かすことを考えて水はなるべく蒸発しないようにしながらも減る分を考えて0.7キロ(700cc)にする。
ボーメということばは比重に関係すると聞いていたので要するに水のなかに溶け込んでいる水以外の成分のことかしらと推測する。
そこで、水700ccに対して
1.固形天外天にがり900g+天外天塩100g
2.固形天外天にがり800g+天外天塩200g
3.固形天外天にがり700g+天外天塩300g
4.固形天外天にがり600g+天外天塩400g
以上で実験してみようと思います。
塩気による甘さに簡単に気づくレベルが限界かなと思います。
にがり分が減るにしたがってマグネシウム分が減るということなので反応は海水にがりに近くなっていくと思います、すなわちゆっくりになっていくと思われます。
2004.2.10 100パーセントでやる。
キタムスメ無消泡剤。 かるく煮すぎ、もちろんへたってはいない、かすかに"へんな"味がする。
キタムスメの最後の釜で天外天にがりで遊ぶ。
やや煮すぎということでいちおう"よく煮えている"ことから攪拌は楽であった。
温度もやや高めで75度ぐらいであるにもかかわらず安定した対流となる。
いわゆる"ぼこっ"も軽いもので問題にはならない。
かすかに荒れているためできは85点かな。
そんなに旨い味ではなかったがこれはにがりのせいではなく、もちろん温度や量でもなく、攪拌の強さ・変化が適切でなかったことによる。
2004.9.01 木曽路物産さんからいただいていたサンプルを開封もしないでそのままにしてあったのをイスラエルのあの死海のにがりのサンプルが届いたことを機会に両者を皮革してみようと思う。
死海ににがりが自然に析出・採集できることは昔から知っていました。事実日本の業者がたくさん輸入してきてそれをもとにフレーク、顆粒、そのた物質混合にがり・・・、等を作ってきたということです。
死海のはほんとにまっしろです。チベットのはかすかにくすんだ白です。
ちゃうどひねたタマホマレとミヤギシロメを対比させたときのような感じです。
赤穂化成のフレーク塩田にがりが昔はにがり豆腐の入門的存在でした。
ばらまき法で溶ける時間を稼ぐタイプの寄せ方なのですが、小生ひさびさにフレークをやるということでいろいろ記憶の糸をたどってみるのですがなんかほとんど忘れてしまっていたようです。
14度豆乳、タマホマレとナカセンナリの黄金比率混合、温度不明(はかったことがない)、きぬ330gが50丁分でチベタンフレークにがり100g用意する。
やや温度高めに攪拌強く寄せる。フレークがとけたかどうかかなり心配であったがゲル化の観測からするとたぶん大丈夫というところで攪拌やめる。
にがり2割ぐらい残ったろうか。
きれいに寄る。底のほうが少しにがいかな。やや柔らかいかなといったところ。
味はすっきりである。
タマホマレとナカセンナリの黄金比率混合を生かすには塩マグ97パーセントでは無理でやはり海水にがりの成分構成比にしたがって、せめて塩ぐらいは混ぜたほうがいいと思う。もちろんこのままでもおいしい。ひとによっては「塩による甘味」を敏感に感じ取りそれをきらうひともいるので、これはこれでひとつのあり方だと思う。
死海のはあしたにします。
2004.9.02 イスラエルの死海のにがり。死海といえば中に入るといやがおうでも浮いてしまうという湖。ソールトレイクとかチベットといった高地の塩湖はたくさんありますがここみたいに海のそばの塩湖は・・・。
とにかく真っ白なフレーク状にがりのサンプルが届く。
きぬ豆腐50丁分の型箱なのだがきのうのチベットの例から80グラム取る。
きょうのはギンレイ100パーセントでかなり煮込んである。非常にうまい豆乳となる。うすくとったつもりなのだが対流はきわめてきちんととうとうと流れていくのであせってしまう。
海水やミクロネオエキス等による無消泡に慣れきっているとこのように規則的でゆったりしたゲル化だととまどってしまう。
6往復のワンツー・・・やりすぎとも思えるのだが予備のにがりを手元においてなかったのでいたしかたない。絶対に余ると踏んでいたのだが。結果はややや柔らかかったのだがまあまあだと思う。ちっちっちは多いかな。
味もいいのだが水槽にあけるとなんと底の部分に軽く黄色っぽい水、にがりのかたまりはないが。 にがい、食べられない。底のほうを1/5ほどけずって残りがOK。
やはり「はやい反応になれてしまうと逆にフレークのようなのろい反応」はむつかしい。
温度を上げることと攪拌の激しさが必要である。
豆腐の味自体はとてもいい。
にがりとグルコンや硫酸カルシウムを比較するとき成分の単一性という点でにがりは塩分等の甘味強調成分があるということで不公平だという議論が起こってくるのだが、しかし塩化マグネシウム97パーセントでこれだけ甘く・旨いということを考えると塩分など皆無であってもやはり味比べでは軍配は塩化マグネシウムにあがると思う。
チベットも死海もどちらも面白いにがりだ。
もう少し試行してみよう。
2004.9.05 キタムスメ、おととしのもの、13-14度。天外天にがりフレーク80グラム、天外天塩15グラム。
攪拌4往復、豆乳温度はだいぶ高めのようだがフレークだとやはりのんびりできる。
底のほうはやはり黄色い水少し、前回よりはすこし。
底の部分をけずって食べてみてもかすかに苦いという程度である。
塩を入れてみたのだが豆乳そのものがもめん用で薄いものなので、さほど甘味は感じなかった。
また煮方がやや不適切で、キタムスメ・ハヤヒカリ・音更オオソデフリ・オオソデの舞い等に共通のひねた時の臭みが出てしまった・・・が今回のはこの臭みがおもしろい香りとなった。 なんとだだちゃ豆の香りなのである。このグループの大豆の甘味性を考えるとだだちゃ豆豆腐の味は偽造できる。もっとも色は出ない。
ただしこの香りに行き着くこと自体が困難なのでせあくまでも偶然出たらバンザイということかな。
2004.9.23 山口物産さんがきのう長崎のにがりということで2本のペットボトルを置いていってくれた。
商品名は「海はいのちのにがり」という素敵な名前です。
砂濾過とイオン交換樹脂という過程を経て作られるものと説明されている。
煮沸だけでできた大方のにがりと違って、海の汚染物質が除去されているのできわめてきれいなものと推察される。
Bがにがり原液。
Aが豆腐凝固がややゆっくりになるように(天然)成分のバランスを調整したもの。
原液をBにしているということは商品としてはAを売りたいのだなということが感じとられる。
一釜目。原液のほうはやや反応のゆっくりさが感じられたのだが、なんというか炊いた豆乳自体が良くなかったせいかややピーンと張った感じ。冷えてから食べると案の定まずくはないのだが軽く離水が見て取れる、60点、商品としてはダメです。調整されたほうは攪拌がかなりゆっくりであったためにがりの量を入れ過ぎてしまい、にがくなる・・・これは廃棄、全くダメ。2打数0安打でした、きのうはイチローは5打数5安打でした。
2釜目。まったくダメであった調整にがりのほうを慎重に寄せる。
コンドノハ完璧デシタ。ねっとりまったりのいい豆腐です。
説明では調整にがりのほうが「ゆっくり・・・」という説明があったのだが、そんなに差は感じられなかった。自分の寄せ方の流儀のせいだと思う。
ただ自分には「ゆっくり」はどうも苦手で、一回一回のにがりの分量が決まっていない寄せ方ではこのようにのろい寄せでは「人間軽量器」が正確に働かなくなってしまうようだ。
釣りと同じである程度の短気さが必要なのが自分の寄せの流儀のようだ。
はやいほうが自分にはきちんと計測できなおかつ正確に反応できる。
またあしたやる。
2004.9.27 ここ毎日やってきた。海はいのちのにがりAにしてもBにしてもあきらかに両者は差があるのだが、その微妙な差に対して自分の手が自動的に反応して「適性へと修正」してしまうのできちんとした差が良くわからなかった。きちんとした差を確認するためにはわかっていながら失敗するしかないのだが・・・。
回数を重ねた結果わかったことは、まず反応の速さに関しては現液のほうがあきらかに速いと言うかきれいに散らない。つまり豆乳との均質なじみが悪いということだがいつも使っているものと比べてさほどの大差はないのかな。チベットのにがり等と比べるとはるかに楽である。
成分バランスを調整したほうは豆乳とのなじみが良くゆっくりとした均質反応となるのだが自分には逆にやりにくい。ちょうど消泡剤使用と無使用との差の時に起きる「なじみ度」の差と対比できる。
味についてではあるが、これは初回の時になんとなく気付いていたのだが回数を重ねて来てみて明らかに調整されたもののほうがうまいと思う、ただし両者とも同じ程度の「寄り具合」で比較しなければ公平な比較とはいえない。
原液のほうはいわゆる加熱だけでできたにがりと比べると甘味が落ちているのが感じるのだが・・・。
イオン交換樹脂膜方式だと塩分残留度が低くなる、つまり製塩法としては完成度が高いのかしらね。
まあとにかく加熱法のほうは濃度がピンキリで多くの消費者は「体裁のいい能書き」にだまされているわけで、読売新聞にのっていたある消費者団体のテストによればその濃度は薄いのと濃いのとでは最大15倍あったということである。豆腐用はほとんどボーメ度30が基準になっているみたいであるが多少はずれがあるようだ。
2004.9.29 きのう海はいのちのにがりのメーカーに問い合わせたところ、原液のほうは案の定塩分はほとんどないとのことである、だから甘味が落ちる。さらに重金属等もきれいに排除されてしまうということなのでにがりとしてはきわめてきれいなものと言える。
通常の加熱濃縮法は基本的に塩が抜けていく(といってもゼロにはならない)というだけのことなので、この海はいのちのにがりは食品工業原料としては理想的といえるのかな。
ここでまた"天然" の意義がなんなのか悩んじゃうのですが。
法律上は、表示に"天然"を記してはいけないことになっているのかな。
2005.1.28 和歌山県潮の岬の製塩会社のかたが直にきて説明。塩は旨く後味がとてもいい感じである。
にがりはなめてみると"きつさ"より塩味が先行しているのでかなり薄いと思われる。ただきつさばかりでなくまろやかさもあるので素性はいい。
取水源は黒潮の流れの速いところで、期待できる。
昔、南方熊楠を集中的に読んでいた時期がありぜひとも田辺に・・・なんて考えていたものであるがせいぜい伊勢や松坂までで一番下のほうまでは時間がなくてとてもいけなかった。大台ケ原近辺も登山計画したこともあったが実際にはなかなか無理であった。
もと(株)豊年製油 の社員ということで相原画伯のことも知っていた、早いもので来週七回忌である。
さて今朝はきのうのO氏、Y氏との飲み会の盛り上がり過ぎによる2日酔いで気持ち悪いやらふらふらするやの仕事となりましたが久々のナカセンナリということでなんとかがんばる。
ナカセンナリは相変わらずいい味になる。
さてもらったにがりのサンプルがあまりにも少量のためごく少量の実験が2回しかしかできなかった。
結果は"薄い"であった。
14.5度のナカセンナリはへろへろであった。同じ豆乳をレギュラーのにがりで寄せるとぴしっとしまっている。
炊き時間をもっと増やして徹底的に煮詰めないと業務用には物足りない。
海のきれいさから言って、もっと濃く煮詰めればいいにかせりとなることは間違いない、飲むにがりとしてはこのままでいいと思う。
2005.4.04 久しぶりに天外天にがりを使う、というのもきのう中国の越境ガス田開発ポイントのひとつに天外天という名前があったので・・・・、というのはちいさな理由で実は沖縄県のX島産ウルトラ煮詰めレベルのにがりが大量に手に入ったからだ、相当な出費となる。
大島や赤穂の液体、藻塩等豆腐業界使用の基準値からはずーっと上のボーメ値だと思う。
きれいこの上なくかつこのような高ボーメ度とあっては魅力この上なしである。
価格も最高レベルであったがまあいいだろう、にがりがやや下火となって業務用にどうぞと大量に分けてもらったものである、10年分くらいはあるだろうか。大事にちょびちょびと使おう。
まあこのにがりに関してはこのへんにして実はこの高ボーメ度に対応するためには急速寄せに慣れなければならない。そこで天外天である。ただしX島のはミネラルたくさん塩分かなり控えめ、天外天はMg以外のミネラルほとんどゼロかつ塩分ゼロということで若干の相違はあるのだが寄せの現場対応はほぼ同じと予想する。
実際ほとんど同じであるが天外天がややはやいかなという感じである、Mg以外の反応遅延要因があるかないかの問題であるが、差はほとんどわからないと思う。
味は・・・、はっきり言って大島や赤穂やシーマースの合成版のほうが甘味がたっぷりなのでものたりないという評価となると思われる。甘さはインパクト性そのものである。
この辺の差異を"教養"として獲得しているかいなかが"食者"のレベルを決定するわけだが、まあこれを期待するのは無理であらう。本物評価にたずさわるものは相当な教養を積んでいなければなりませぬ。
85度タマホマレ14度、どちにもOKである。荒れはまったくないが顕微鏡レベルならば荒れているのかもしれない、しなりという点ではだいぶおとるのだが離水は確認できない。タマホマレはすごい大豆である。
にがり対応力のおおいさは頂点にあるのではないだろうか、脅威の大豆である。
2005.10.08 池袋班使用予定の岩手県産と桜井さん御用達予定の九州の離島のものをくらべる。
岩手県産のものは以前薄いのを大五朗のペットボトルにはいったのをためしたことがあるが塩マグ分が低すぎて問題外であったが今回のは凝固に関してはまったく十分であった。なめた感じがしょっぱかったので大丈夫かなとも思ったがOKである。甘みもよく出ている。
桜井さんのは岩手県のよりはしょっぱさというより苦味のほうが強く期待できた。実際いい出来となる。やや高速よりのため慣れた人向けといえる。洗練されたいいにがりである。ボーメは標準より高いはずである。桜井さんの独占にするといいと思う。
2006.4.09 まあ良くしゃべる営業さんであった。先客がいて約束の時間より少し待たせてしまったがよく我慢していたと思う。
単なる軽口のおしゃべりかと思うとこちらをいらいらさせることもなく楽しく話が聞けた。
対馬は30年前に行っている、自転車を持って・・・輪行という。
厳原に3泊して山登りとサイクリングをする。城跡をみようとやぶこぎをしていて野犬に追いかけられた話はどこかでしたと思うのだが・・・。
石の屋根とか天然記念物の馬や猫、入間に住んでたとかいう郷土資料館の館長さん、浅茅(あそう)湾・・・、きわめて感激した所でまた行きたいな。
さてにがりだが嘗めただけで「うまいな」と感じる。実はそのとき舌が荒れていて味比べはひりひりし通しで閉口したのだが。
秘伝+タマホマレ+ユキホマレのブレンドを比較寄せする。
ボーメ40あるいは測定不能の高速にがり、標準にがり、当該にがりと並べる。
この藻塩にがりは瀬戸内のとは製法が違うようだがヨード分が加わったと言うことでは性質は同じかなと思う。
にがりに"異物=凝固無関係"成分が入ったということでボーメ30いくつの割には反応はゆるやかで悠揚とした対流をおこす、簡単すぎてつまらないといえばつまらない。
味は・・・これはうまかった。
甘みがピンと最初にくるタイプではない。口の中に豆腐を入れたときの味の広がり方が私の2つのレギュラーよりおおきい、正直「とてもうまい」のです。まろやかなどということばはひとをばかにしたような評語なのだが、まろやかそのもの・気品に満ち満ちている。
でも値段が高いなー。
海水を途中まで煮詰めて足りないボーメを塩マグを入れて濃さのつじつまあわせをしているにがりが多い中で、この値段はしかたないと思う。
多くのにがり使用者はすでに取引先が決まってしまっていると思うのでいまさら割り込むのは大変だと思うのだが安物の合成ものを使っているひとには差別化商品にはこれがお奨め、といってもウチでは間に合ってるかな。
それと寄せ豆腐に添付できる小袋分包の藻塩もあるがこれもすぐれものである、我が家の食卓の上にはオホーツクの塩とかなんとかいった会社の藻塩が置いてあるが、富良野プリンスで売ってるものをいつも送ってもらっている。
2006.4.20 倉谷産業経由の藻塩にがり、広島県の蒲刈町のものだったかな、と比べると蒲刈の藻塩にがりが炭で描いた太いデッサン、対馬のはペンで描いたデッサン・・・と言った感じの差が感じられる。冷たいというのではないが「キレ」のあるきりっとしたそれでいて母なる海のあたたかさ・豊かさを感じさせる絵のような豆腐になる。
藻塩にがりは凝固はやや遅く反応するので攪拌は楽であるが高速の緊張感を求めるものにはもの足りないだろう。
普通のにがりと比べると味はたしかに違う。
何が違うのか・・・・。
甘みが直接「ずどーん」とこない、ということである。
ゆっくりとにがり豆腐特有の「甘さの感動」がやってくる。別段甘さが減じられているわけではない。
そして余韻の豊かさは普通のものの比ではない。
うまさ、味のゆたかさ、奥行き・・・たっぷりとした味の膨らみが何にも換えがたいものがある、玄人のうまさといえる。
海草のヨード分・うまみが豊かであるがゆえに相対的に「甘さ」が控えめに感じられるのだと思う。
万葉時代に具体的にどうして作ったかということは厳密には再現できないものと思われるがいろんな試行が真実の近似値に近づいて行くものと思われる。
甘さ以外の深い味わいを演出できる重要な素材となりうるはずである。
これはまさに在来種に豊かな"雑味"を活かす格好の道具である。タマホマレの雑味もさらに活き活きとしてくるはずである。
普通のにがりと比べて「甘くない、まずい」と感じられがちであるが、よーく・しずーかに味わってもらいたい。
製造工程をきちんと説明すべきである、そのロマンチックな来歴と相まって深い味わいがじわーっとやって来るはずである。