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全国大豆めぐり


スズマル

北海道、小粒、色はきれいな白。納豆用として有名。
非常に奥深い風味と甘味をかね備えている。


かわいた状態でのこの大豆を眺めているとその美しさに圧倒されてしまう。小粒の美人。小粒の巨人。あらゆる賛辞をもってしても足りない。なんで納豆にしか使われないのだろう。これは私の「たまの」レギュラー(こういう言い方は変だな?)にしたい、宝物。

2002

3.11 初めてつぶさせていただきます。以前にもこのレベルの完全無農薬の「ちいさーい」大豆を委託でつぶしたことがあり非常にうまかったのを覚えているがそれ以来こんなちいさい大豆をつぶすのは久しぶりだが、なんかいい予感が最初っからした。普通に煮る。・・・・・甘い! 深い!。小さな巨人とはこういうものを指すのだろう。
 かなりどろどろの豆乳で海水にがりの一発寄せできぬはやや無理があるのだが、若干ムラ寄りがあるとは言え売り物になる程度のきぬだ。・・・うまいなあー。ただしまり過ぎてしならないので「とろけちゃう」感はないので商品の完成度としては70点かな。
 煮方を追い詰めればもっと良くなるだろう。濃度ももう少し薄くしたほうがいいと思う。

 またまたとんでもない大豆を「みーつけた」。

 「納豆専用」。これは間違っている。先入観はすべて一度疑ってかかるべし。


3.12 今日はきのうより若干薄く豆乳をとる。一釜しかやりませんが、急速に冷却してすぐ寄せたものとゆっくり冷却させて寄せたものの2種類をやる。
 なんとまったく同じもとの豆乳なのに、またにがりの量・寄せ方がまったく同じなのに全然(自分の基準から見て)ちがうような感じになってしまった。味は同じ。
 しなり、ふにゃり、もろもろ感がまず違う。そして「鳥の足跡」が片方にはまったくないのにもう一方にはいっぱい出ている。
 ますます鳥の足跡の原因がわからなくなってしまう。

 ま、とにかくきょうのは昨日のよりは洗練されている。

3.14 きょうは15度も上のほうだと思うが大どろ状態の濃さでやる、というより加水が不適当で濃くなりすぎてしまった。ウルトラハイデンシティそのもの。極度の緊張のもとに寄せ作業。急速冷却した2つははでなむら寄りの大失敗だが、むら寄りはかきまぜればもめんにできる。このようにもめんはいくらでも"後負い修正"のできる豆腐なので一発勝負の緊張感・プレッシャーがなくつまらないと言えばつまらないのだが・・・・・。きぬはそうはいかない・・・。
 続く3回は自然冷却で適温まで温度を下げてやる。攪拌は13・4度の時の繊細な対流のコントロールなどまったく不可能なので「まあ、いいや」とかなり乱暴に寄せる。・・・・・出来あがりが予想つかない。
 1時間放置。水槽にあける。・・・な、な、なんとつんつるてんの100点の寄せであった。鳥の足跡は皆無。グルコンよりもつるつる。こういうのは売りたくない・・・といって冷凍保存もできない。こっそりレギュラーとして売りさばく。
 でも・・・なんか自分の好みではない。かたい、しまり過ぎなのだよなあ。味はいっぱい入っているけど。
 なお、この大豆が豆腐業界に流れ込むと値上がりするので納豆屋さんが大変になります。きちんと寄せられない人は使ってはなりません。

3.18
きょうは薄めをやる。糖度計がないので「かん」だがどろどろ感のないさらりとした状態。12-3度ぐらいなのかな。
 さすが海水にがりは分散が均質で完璧な化学反応をなしやすい。とくに少し薄めのときはそうだ。できたては水っぽいと感じるが自然脱水させてやるととんでもないなめらか感が得られる。
一丁知らぬ間に平らげてしまう人が多いのではないだろうか。
 そもそも水分があるものを豆乳という液体の中に加えるわけで、豆乳の濃度を下げてしまうことになるわけだが「濃さ」とは別の次元の良さが引き出せるわけで豆腐のありようの多彩さを再認識する。バランスだ・・・。
 それにしても見た目があまりにも美しい大豆というものはつぶすのに気がひけるものだ。形の美しさを生かして食用にするとしたら、煮豆か納豆だろうなあ。豆乳にしちゃうのは申し訳ないのかなあ。
 この小さな粒の煮豆というのもおもしろそうだな。

5.28久しぶりにつぶす。漬け豆になったあのちいさな粒を見ているとわくわくしちゃいます。
中どろぐらいに絞る。クリーミー感一杯でとてもまろやか。トヨムスメや大袖振りとは違う傾向。うまい豆乳です。
やや煮過ぎたせいか寄ったあとカットする段階で包丁がぱさっぱさっと入ってしまうので粘性を生かせなかった。豆乳自体には飲んだ感じから粘性はかなりあったとおもうのだが・・・、寄せがややまずかったと思う。
 食べてみると味は一杯で粘性も感じられた・・・なんだいこりゃ。

 蒲刈町の藻塩でまったく同じ豆乳で寄せてみる。似たような感じの寄せかな。

 味は両者で微妙に差異を感じられた。目隠しテストをしたら・・・やはり好みの問題かな?

5.29 きょうは寝不足ではないが集中力に欠けていた。しかしまたまたひょうたんからこまで、煮かたの塩梅がくるっていたすなわちふだんと違っていたであろうと思われるのだが、異様に豆乳が甘かった。もっとも感じる側の味覚というものも体調に左右されるものではあるが。
 寄せは通常のも藻塩も両方とも良くなかった。ちっちっちが一杯で、これを見たお客様は「今日のはずいぶん肌荒れね」ということは間違いない。
 水さらしして1時間、びしーっとしまっている。包丁で切る。なんときのうとまったく違ってカット面が包丁の両面にひっつく、ひっつく。これは最高の味になる。食べなくてもわかる。

 うまい。

6.18 青豆がやや薄すぎてしまったので次の釜のスズマルは濃すぎてしまったかな。
 でも「わざ」で堅過ぎないようにできたので80点。
 えらい甘い。
 
 この大豆でトヨムスメやおお袖振りと同じような豆腐が出来るとしたら、豆腐にするのはやめたほうがいい。
 イツモ言っているヨウニアマリニモ美しいノダ。
 納豆や煮豆がふさわしい使い方なのだと思う。

 ところが豆腐にすると独特の「おもしろ味」がある。

 甘いといっても添え味に独特のものがある。

 小粒はおもしろい。

6.19 すこーし薄めにとる。冷えた時の豆腐をあまり食べていないのだが、きのう食べてみてやや良くないかなと思ってのこと。"検査"も出来たてのあったかいのばかりだとカンがくるう。
 ちっちっちのオンパレードできょうの新潟エンレイと同じになってしまう。ややもろい。
 味は濃厚でいうことなし。もうすこしねっとりが欲しい。

6.23大豆屋さんがコスズというのを置いていってくれた。いずれ出番が。
 きょうのはいい。もとの姿の美しさにふさわしい味・添え味となる。この大豆の納豆というの・・・もっとも納豆には品種があまりかかれてないですが・・・を食べてみたいなあ。
 甘味系の大豆は糸引きにとても関係があるということを聞いたことがある。においがしないとか糸をあまり引かないとかいう納豆が人気があるようですが何かそういうのって食べる気しない。40歳までほとんど納豆というこのを食べたことがないのだが最近はおやつ代わりにでも食べてしまうほど。
 
 それにしてもクリーミー感を保ちながらきちっとむら寄せなく寄せるというのがいかにたいへんかということをつくづく感じる。クリーミー感があふれていると350グラム一丁程度知らない間に平らげてしまう。かたくて抜けのいいやつは2口3口ではしを置いてしまう。同じ豆乳でも寄せ方で全然食をそそる力が違う・・・むつかしいものだ。

7.01煮すぎかな。へにゃんへにゃん。寄せてるときは「こりゃいいかな」という感じがしたのだが。
 温度が低すぎたのかもしれない。
 食べたらうまい。
 ロスがいっぱいで、スズマルちゃんこ゜めんなさい。

7.02
 きのうのはすべて廃棄ということで罰当たりなことをしてしまった。
 そうかといって今日こそはと気負いすぎると失敗するのは世の常。
 平常心、平常心。
 ・・・・・。
 ひとつはちっちっちのまったくないつるんつるんのぴしっ固。これは不満足である。でもこういうのがいいという人もいるだろう。粘性少しあり。くねらない。いわゆる社会通念上の模範生みたいなものだ。つまらない。

 もうひとつはばっちりであった。ちゃんときれいに固まっているのにもかかわらず粘性も閉じ込めている。保水は完璧の域に達している。味抜けはしない。

 平行して毎日やっているギンレイとくらべると甘さは落ちるような気がする。
 でも添え味がいい。

 どぎつい主張をしないところがいい。これは茶人だな。

8.23 そんなに甘さが際立った感じはないのだがうまい。
 味が「ギュッ」とびっしり詰まった感じで深い味というのはこういうのをいうのだろう。
 オオツルといっしょに作ったので余計にうまく感じられた。
 6時間後のお昼に食べる。やはり味が一杯する。いい豆だな。

11.05 小粒の茶目に心わくわく。
 煮方はばっちりであった。
 そんなに甘さオンリーでなく北海道らしい豊かな諸味。
 寄せがやややっこくふにゃりとしてしまいぴーんというのがなくなってしまい少しもろいかな。
 でもクリーミーでおいしい。
 このあとタマホマレをやる。

                                   2003


5.07 冷蔵庫に2-3度程度で去年から保存してあったのを使う。
 濃すぎになるのに注意しながら煮る。
 味の記憶と言うものはいいかげんなものだがやはり去年とおんなじかなー。
 そんなに強烈な味とはならない。
 豆乳がやや荒野の息吹を感じさせるあじである。
 味がいっぱいつまっている感じでリュウホウなどの対極にある。

6.18 新豆、2002年産。
 タマホマレと同等に煮る。
 かなり濃い目の加水。
 かすかに青さがのこる。
 豆乳が非常にうまい。深い味である。
 寄せる、なんと非常に「力のなさ」が対流に出る。
 典型的な高タンパクの表情となる。
 即ショックを吸収すべくやわらかく寄せる。
 でもやや「過ぎた」寄せとなる。
 きれいなつるつるの肌でちっちっちは全くない。
 「ぬめっ」としたところがあれば完璧な「うまいスズマル」となるのだが、だめだな。
 食べなくてもわかってしまうが、味はいまいちである。
 甘味は弱い、豆乳のときの深い味が活かされていない。
 高タンパクの性質が出易いものは原則高濃度は不適切と思われる。
 「うすくても、うすい方が・・・」ということで利益という観点からは食品工業的には理想の大豆なのだらうが・・・。
 濃くてうまい高タンパク、が目下の課題かな。
 

2004


4.10 他の大豆がすべて大幅値上がりしているなかでこの大豆・・・納豆用の名品・・・はいったいいくらぐらいになっているのであろうか。
 冷蔵庫に入れっぱなしになっているのを取り出す。
 欲張って濃すぎた煮方となる。
 出たてはさらさらであるが冷えるのを待つ間に見る間にどろんとなってくる。。
 寄せはきつかった、ムラより必至。
 かなりきつく寄せる。
 ちっちっち多発なおかつムラ寄りによる中ドロ地帯あり。
 味は大変いい・・・がそんなにインパクトはないかなー、というより控えめだけど奥行きがあるといった感じ。
 単純で浅いというのではない。
 甘さもそんなにきつくはない。
 豆乳のドロ具合から中間系かなと思われる。
 値段から考えると豆腐としてはコストがかかりすぎるのでやはり納豆用かな。
 この値段でこの味だと不釣合いを感じる・・・豆腐用としては。


2005

5.12 去年のが手に入ったのだが在庫を調べるとおととしのが冷蔵庫に隠れていた。かじってみるとまだしっとり感がある。
 ふやけた姿はいつものことながらお見事というしかない。
 ややタンパクが高かったかなという記憶を頼りに加水・煮沸を気を付ける。
 90度で出てくる。飲んでみるとでれーっ、どろんとした感じである。暑すぎてはっきりとした味はわからないがほとんど甘さを感じずオオツルに似てはいるのだがこちらのほうがやや雜味が多いかなという感じである。
 でれー・どろっというと寄せはあせってしまうのだが心配したわりにはきれいに寄ってしまった。
 15度弱の濃度だと思う。
 できたては・・・オオツルをひとまわり豊かに下と言う程度でたいした感動はなかったというかがっかりした。
 
 お昼に冷えたのを食べる。
 無消泡特有の「ほろほろくずれ」が顕著である。
 むむむ、甘いではないか。雜味もしっかりしている。・・・もっとも飛びあがるほどの感動ではないが。
 やはりうまい大豆である。
 はでではないがしっかりとした主張はある。
 納豆用の名品であるがどんな味がしたか忘れちゃいました。