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全国大豆めぐり

リュウホウ
秋田産、大粒、凝固特性がきわめて良い


2002


8.10 初めてつぶす。
 豆乳がとてもまろやかで甘い。ねちょ甘でなく単純に甘いといった感じ。
 凝固特性がすごい。通常量のにがりで寄せて不足を感じ取り瞬時に追加する。力の強い豆乳だ・・・煮かたなのか豆自体なのかは試行を重ねないとわからないが。

 出来あがりがすごい。くねんくねん。包丁がひっつく。最高の状態の寄せである。
 出来あがりがうまい・・・冷えてから食べたら「陳腐」というか高タンパク系のややクリーミー感に欠ける味となった。
 なんかおかしいな。矛盾している。包丁がひっつくということは粘性たっぷりということなのだが。

 出来あがりがうまくて冷えてからまずいというのは多々あるのでもっと試行を重ねてみたい。

 とにかくにがりによる寄せはきわめて安定していて却ってつまらないとも言える。
 機械にもできるようなことを人間がやる価値はない。

6時間後、クリーム感がきわだつ、とてもいい感じ、甘味はやはり少ない・・お昼に食べる。


8.21 快適な睡眠が久しぶりにとれた。吹く風は高原のものと同じ。時間がとれなくて山にもまったく行けないが居ながらにして山小屋泊りの楽しみの一部を味わえた。天気が体調にももろに現われる。

 前回同様豆乳はうまい。飲みやすい万人向け。単純に甘い・・・まろやかとは違う・・・のだが添え味がなんか足りないな。寄せは前と同じく力が強い豆乳だとわかる。にがりは1-1.5割増し、対流はきれいに出る、無消泡剤でもこんなに安定しているのでその練習用にはいいかもしれない。
 食べてみる。・・・やはり何か物足りない。前回のは味抜けがしていたが今回のはそれはほとんどない。旨いのだが何か間が抜けた感じがする。

 冷蔵庫にしまうのを忘れて大袖振りといっしょに食卓におきっぱなしにしてあったのを6時間後のお昼に食べる。どっちもうまい。けどやはりうまみに深さが欠けるかな。比べた相手がわるいかも。
 でもこれに醤油をかけたりすると、クリーミー感やとろけちゃう感はあるので決してまずくはない・・・どころか旨い。

 豆腐の味の判定はむつかしい。天恵としての命あるものたち。ていねいに加工してあげるだけ。

8.30 きょうは間違って濃すぎてしまった。15度もかなり上のほうだろう。こうなると「寄せの安定性」なるものは関係のない世界でコントロールというか見極め力がものを言う。
 ダメかと思ったがきれいによっている。包丁もひっつく。
 やっとうまいと感じた。


2004


8.31前回のリュウホウはなんと2年前のきのうつまり8月30日となっている。あははは。
 きょうのリュウホウはこないだ訪問した秋田のSさんのもので肥料に非常にこだわったものである。米ぬか発酵肥料。
 じつは何日か前にも試行済みなのであるがあまりいい味が出なかったので記述しなかった。やや煮込み不足だったような気がする。
 きょうのはやや深く煮る、別に変な味は出ない。
 どろんともしていない。
 甘味はこないだと同じくやはりあまり出ていないのだが味全体がいかにもふくよかというか豊かである。
 寄せてみると豆乳の力がやや強いことがわかる。
 できたてすぐはそんなに感動しなかった、平凡な感じである。
 みずにさらした切りくずを食べてみる、なんと・・・・。これはうまい。 超甘系が醤油よりも塩があうとしたら、こちらは塩では物足りない感じだが、しかし日本料理・懐石膳などからいったらむしろこちらのほうが工夫領域が広いと思う。
 実に味がゆたかである。料理人からしたら汲めども汲めども尽きない魅力が内包されていると思う。
 ついこないだうちが入っている場末の集合店舗の催事に来ていた関西のFさんだったと思うがあの寄せ豆腐に近い。オレがオレがと甘さが前面に出てくるのと違い重厚さのある気品に満ち溢れている。
 マーラーとブルックナーの対比が・・・ブルックナーよりブラームスかな・・・あっている。

 自分のいつも作っているものとは対極の豆腐かもしれない。
 自分はブルックナーのほうが好きであるがしらないうちにみんなマーラーみたいになっている。

 味のあり方に究極はないことの一例だと思う。

 フクユタカは高タンパクの大豆であるが(きちんと作れば)どちらかというと甘味系の大豆と言える。
 このリュウホウは甘味系の正反対のところにある王様かもしれない、もちろん甘いことは甘いのだが。


2004.9.29 秋田のSさんのスペシャル・リュウホウ100パーセントをすこし作り、残り物の豆乳・・ギンレイ、キタムスメ・黒神・秘伝・・・をあわせたものを足す。リュウホウは7、その他が3で細かい比率は不明。
 リュウホウの比率が高いだけにあたたかいうちの豆乳、よせたばかりの豆腐はなんとなくいまいちに感じる。甘味が弱いせいだと思う。

 お昼に冷えたのを食べる。・・・できたての無感動はいったいなんなのよ、といったところ。
 豊かな味に奥ゆかしい甘味・・・甘味が少ないと言うのではなく、あとからしっかりとした甘味がやってくるのである。
 レベルの高い料理人の使い勝手にばっちり答えられるミックスであると思う。
 100パーセントよりも、少し甘味系を混ぜたほうがいい大豆だな。


2006

2006.2.16昨年鹿嶋の宮本さんのリュウホウの大豆を食べて以来ずーっと気になっていたのだがこのたび5000円で3等をゲット。
 あのときの宮本さんのは寄せがやや甘かったとはいうものの豆味豊かで甘みもしっかりとしていてとてもおいしい豆腐であった。・・・待てよ、リュウホウって・・・、ということになる。つまりこの大豆はどちらかというと高タンパクで甘みも控えめ、どちらかというとオオツルの明るさとは正反対のくすんだかすかな甘さを感じさせる地味な大豆のはずであった、何回やってもそうなったのでそういうものなのだと思った。

 今回のはすごい。まず非常にかためにくい、やっこいのだ。へろへろ。
 秋田県仙北市角館町、古郡さん作。
 薄いとややわかりにくいのだが15度を越えるとものすごく甘い、豆味もたっぷりでデラックスな味となる。
 なんかユキホマレの変質と正反対である。ユキホマレの去年(つまりおととし産)のはこんなであった。
 かたまりにくいということはいくら(といっても限度はあるが)濃くしてもどろどろにならない。濃ければ濃いほどうまくなる。
 5000円でこんなにうまくていいのかしら。
 微妙ではあるが無肥料無農薬/20000円の桜井・サトウイラズといい勝負である。
 雑味のゆたかさという点ではギンレイ、ナカセンナリ、大袖ふりをしのぐといっていい。
 なんでこんなに変わってしまったのかしらね。


2.28 リュウホウというのは2年以上前には高タンパクで中低糖質ということで使っていて、事実そのとおりの味が出ていた。つまりさほどの印象は残っていなかった。
 それが去年宮本さんが送ってくれたもの、ことしM問屋さんからのものが低タンパク高糖質の味がした・・・凝固も完全に低タンパクの様相を呈していた・・・のでいったいどうなっていることなのかと首をかしげていたところであった。
 同じ秋田県のもので別農家のものが手に入る。非常に美しい粒である。
 光っている。
 高タンパクにも低タンパクのどちらにころんでもいいように煮る。
 豆乳は・・・淡白である。クリーミーである。そんなに甘くない。5000円の角館のとはぜんぜん違う、あちらのほうがさらっとした低タンパク性に満ちている。
 寄せると・・・オオツル・非加藤さん白光・へた寄せフクユタカと同じである。
 味を求めるむきには・・・ちょいとムリかな。

 どうして同じ品種なのにこんなに違うのかしら。
 タネ、農法、土壌、肥料、・・・。気候はほとんど同じ。

 おもしろいな。