[ TOPのINDEXへ ]
豆腐の固い、柔らかいについて
まず「固いのが豆乳が濃くて、柔らかいのが豆乳がうすい」ということばがまちがっていることをご説明いたします。
木綿の場合は特にそうですが、にがりを打つ(投入、混入すること)相手の豆乳は濃くても薄くてもかまいません。最初に固まった状態は明らかに豆乳が濃ければ固く薄ければ柔らかい、というのは当然のことです。 しかし木綿はここで終わりではなく次の整形箱に最初に固まったやつを少しずつくずしながら盛っていってやる作業があります。 ここで最終的な固さを調整してやるのです。したがってもとになる豆乳の濃い・薄いはそんなに関係ありません。グラム当たりの大豆のかかっている量は製作者の意図にかかっています。
さてきぬごしの場合ですがこれは豆乳は絶対に濃くなければなりません。なぜならばきぬごしは最初の凝固したのを即四角(まあ形は四角でも丸でも何でもよいのですが)に切ってそれがそのまま製品になってしまう、すなわち二次的な固さ調整の工程がないからです。 ただこれも、固いと「にゅるっ、ぬめっ」感がなく味に奥行きがないことになります。これを温度を変える(温度は企業秘密)ことによって「にゅるっ、ぬめっ」感さらには味の奥行き奥深さを増してやるのです。このとき豆腐は柔らかくなりしなやかさを増します。 ただしにがり以外の凝固剤、硫酸カルシウム100%だとにがりに似ていますが、グルコン混合タイプだと豆乳がかなり薄くても固くできます、それもぴしっとひきしまった安物のプリンといったところです。すべてのグルコン豆腐の豆乳が一概に薄いとは言えませんが、薄い・濃いはメーカーの良心にかかつています。「ふにゃっ、にゅるっ、しなやか」感はありません。グルコンは大量生産に利益をもたらす恵みの種なのです。
またにがり豆腐では失敗に二とおりあります。凝固不十分と反応過多です。前者は要するにどろどろでまったく豆腐にできません。また後者では顕微鏡的に見ると、豆腐の組織はぼろぼろで保水力がまったくなくこれを豆腐にすると、きぬだともろくてすぐくずれぼそぼそ、もめんだとざらざらでこちこちのまずい豆腐になります。まあ、甘味と香りはそのままですが触感によって台無しになってしまいます。
よせ豆腐(器は豆仙作)
[TOPへ] [ TOPのINDEXへ ]